IndexReadyで実サイトを3件診断してみた|SEO・GEOの実測スコアと採点根拠

この検証について

IndexReadyは公開URLからSEO 15項目とGEO 11項目を採点するツールです。ただし、ツール側の説明文だけでは「スコアがどれくらい実装と噛み合うのか」は伝わりにくいため、性質の違う3サイトを実際に診断し、採点の内訳・検出根拠・採点の限界をまとめてこの記事で公開します。

意図は3つあります。

  • IndexReadyのスコアがどこを見ていて、どの程度の粒度で結果が出るのかを実例で示す
  • 自社プロダクト・公式ドキュメント・百科事典の3つで、出やすい差を比較する
  • スコアが上がりやすい項目と落ちやすい項目を、再現可能な形で整理する

検索順位やAI Overviewへの掲載予測は扱いません。診断時点でわかる事実だけを残します。批判目的ではなく、SEO/GEOの判断基準を実例で示すための引用です。

検証条件

すべての診断は以下の条件で実施しました。再分析すれば誰でも同じ手順を再現できます。

項目内容
取得日2026年5月9日
環境IndexReady(Next.js 14、Contabo VPSでホスト)
データソースHTML / robots.txt / sitemap.xml / llms.txt / Google PageSpeed Insights API
測定条件PSIはモバイル基準、CWVはAPIから取得した値
入力ロケールja

対象3件

#URL区分
1https://index-ready.jp/ja自社プロダクトのトップページ
2https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Element/titleMDN(HTMLリファレンス記事)
3https://ja.wikipedia.org/wiki/SEOWikipedia(百科事典記事)

3サイトとも公開ページで、誰でもアクセスできます。Wikipediaはクリエイティブ・コモンズ、MDNはオープンライセンスの公開ドキュメントで、引用・分析対象として標準的です。index-ready.jpは自社サイトのため、自由に検証できます。

結果サマリー

サイト総合SEOGEO
index-ready.jp185 / 20094 / 10091 / 100
MDN(HTML title)137 / 20088 / 10049 / 100
Wikipedia(SEO)107 / 20062 / 10045 / 100

総合スコアの並びは予想通りでしたが、内訳を見るとサイトの設計思想がはっきり分かれていました。以下、ケースごとに細かく見ていきます。

ケース1: index-ready.jp/ja(185 / 200)

自社プロダクトをまず採点しました。「ツールを作るなら自分が一番読み込んでいるはず」を確認する意図です。

IndexReadyトップページのキャプチャ

強かった項目(SEO 94 / 100)

検出された項目を、実際の値とともに並べます。

  • title: IndexReady — SEO・生成エンジン最適化(GEO)対策を無料で自動採点するツール(46文字)
  • meta description: 109文字
  • 見出し: h1が1個、h2以降の階層も適切
  • OGP: og:title / og:description / og:image すべて設定済み
  • canonical: https://index-ready.jp/ja
  • robots.txt + sitemap.xml: 検出
  • HTTPS / lang="ja" / viewport / noindexなし: いずれも正常

強かった項目(GEO 91 / 100)

  • llms.txt と llms-full.txt の両方を検出
  • AIクローラー許可: GPTBot / ClaudeBot / PerplexityBot / Google-Extended / CCBot / anthropic-ai
  • 構造化データ: Organization / WebSite / WebApplication / FAQPage の JSON-LD
  • 簡潔なパラグラフ: 22個検出(GEOの「明確な回答文」項目を満点)
  • 統計データ: 15個
  • 鮮度シグナル: datePublished / dateModified

残った課題

項目結果改善方針
PageSpeed60 / 100LCP 7.1秒。フォント・JS・初期描画を見直し
Core Web VitalsLCP 7.1s / CLS 0.001LCP最優先。ヒーロー画像のpreloadから
質問形式の見出し1 / 22h2/h3のうち質問形式は1個のみ
引用元品質権威ある引用元 2件 / 外部リンク 3件一次情報リンクの追加

IndexReadyでindex-ready.jpを診断した結果画面

この結果から分かること

トップページに必要な土台(title・meta・canonical・OGP・sitemap・llms.txt・構造化データ・FAQ)は揃っています。自社プロダクトとしての構造的な実装は最低ラインを超えていると判断できます。一方、速度面は明確な弱点で、LCP 7.1秒は実ユーザー体感としても遅いレベルです。AdSense審査やSearch Consoleのページ体験レポート観点でも、ここを優先して直す価値があります。

ケース2: MDN — HTML <title> 文書題名要素(137 / 200)

技術ドキュメントの代表として、MDN(Mozilla Developer Network)の <title> 要素ページを診断しました。SEO・コンテンツ品質ともに業界標準級と扱われるサイトですが、GEO観点では別の見え方になりました。

SEO 88 / 100

項目結果
title45文字(適正)
meta description116文字
見出しh1 1個、階層適切
canonical設定済み
robots.txtあり
sitemap.xml検出

ここはMDNの規模を考えれば想定通りで、SEOの基本実装はしっかり整っています。

SEOで惜しかった項目

項目結果検出根拠
OGP0 / 6OGPタグが見つかりません
PageSpeed65 / 100PSIスコアが90未満
Core Web VitalsLCP 6.7s / CLS 0.000LCPが長い

OGPが完全に未設定だった点は意外でした。<title> 要素ページがSNSでシェアされた際、OGPで制御していないため、ブラウザが自動推測するタイトル・画像になります。リファレンスドキュメントとしての性格上、SNSシェアの想定優先度が低かったのかもしれません。

GEO 49 / 100

項目結果
llms.txt0 / 12(未設置)
構造化データ JSON-LD0 / 10(未検出)
Google推奨スキーマ0 / 8(未検出)
質問形式の見出し0 / 8
鮮度シグナル4 / 8(time要素のみ)
AIクローラー許可12 / 12(全許可)
簡潔なパラグラフ8 / 8(14個検出)
FAQ・リスト構造8 / 8(34個の構造化リスト)

MDNはAIクローラーを許可していますし、コンテンツも十分な量があります。一方で、AIに読み解いてもらうための「機械可読な構造」(JSON-LD・llms.txt・FAQ的見出し)はほぼ未整備です。AI検索の引用先としてフルに最適化された状態とは言えません。

この結果から分かること

「SEOがしっかりしている = GEOもしっかりしている」とは限らない例です。長く運用されているドキュメントサイトでも、AI検索向けの構造化施策を入れるかどうかは別の判断で、IndexReadyのような診断項目はこの差を可視化できます。MDN規模で全項目を整えるのは大きな投資になりますが、新規ドキュメントサイトを作る場合は、JSON-LDとllms.txtを最初から入れておくだけで未来の評価軸を満たしやすくなります。

ケース3: Wikipedia — SEO(107 / 200)

百科事典の代表として、日本語版Wikipediaの「SEO」記事を診断しました。コンテンツの権威性・引用元の豊富さは抜群ですが、機械的な実装基準では下がる項目が多数ありました。

強かった項目

項目結果
PageSpeed97 / 100
Core Web VitalsLCP 1.7s / CLS 0.000
引用元品質10 / 10(23件の権威ある引用元、外部リンク33件)
統計データ8 / 8(5個検出)
HTTPS / canonical / lang / noindexなしいずれも正常
AIクローラー許可12 / 12

PageSpeed 97/100、LCP 1.7秒は3サイト中で最速です。引用元品質も満点。Wikipediaがリンクの集合体として機能していることが、機械的な指標にも表れています。

弱かった項目

項目結果検出根拠
title5 / 10「SEO」(15文字)。推奨は30〜60文字
meta description0 / 10meta descriptionがありません
見出し構造4 / 6h1はあるが、h2見出しが取得できず
OGP2 / 6og:description / og:image 未設定
画像alt0 / 66枚中2枚にalt未設定
sitemap.xml0 / 6個別ページパスでの取得には反映されず
llms.txt0 / 12未設置
JSON-LD6 / 10Articleのみ検出
明確な回答文0 / 8簡潔な定義パラグラフのパターンを検出できず
質問形式の見出し0 / 8h2/h3が見出しとして抽出できず
鮮度メタデータ0 / 8datePublished / dateModified 未検出

この結果から分かること

Wikipediaは「コンテンツ品質と引用元の豊富さ」では強いものの、IndexReadyが見ている技術的シグナルでは項目落ちが目立ちます。これはWikipediaのテンプレートが百科事典としての可読性を優先しているためで、SEO/GEOツールでの自動採点とは別軸の最適化です。

逆に言うと、IndexReadyの採点基準で高得点を狙うなら「権威ある記事を書くだけ」では不十分で、技術タグ・構造化データ・llms.txtといった機械可読な実装が必要であることが分かります。Wikipediaが順位やAI引用で強いのは、機械可読シグナルだけでなく、被リンクや認知の蓄積が大きいからで、ツールスコアと実検索結果は1対1で対応しないという好例です。

3サイト比較で見えた傾向

3つの数値を並べると、各サイトの設計思想が見えます。

観点index-ready.jpMDNWikipedia
PageSpeed60(LCP 7.1s)65(LCP 6.7s)97(LCP 1.7s)
構造化データOrganization / WebSite / WebApplication / FAQPageなしArticle
llms.txt設置済み未設置未設置
OGP完全なし部分
引用元品質2 / 105 / 1010 / 10

観察された傾向

  1. 速度と構造化は別軸の投資: 速度に強いWikipediaが構造化シグナルでは弱く、構造化に強い自社サイトが速度では弱い。両立は技術投資が必要。
  2. OGPは個別記事ページでは省略されやすい: MDNとWikipediaのOGPは部分的または欠落。テンプレート単位で設計しないと記事ごとに抜ける。
  3. llms.txtは現時点で例外的: 3サイトのうち1つだけが設置。今後の標準化次第で評価軸が変わる可能性がある。
  4. GEOで点を伸ばせる余地は大きい: 既にコンテンツが豊富なMDN・Wikipediaでも、JSON-LD・llms.txt・質問形式見出しなどの追加で改善できる領域がある。
  5. PageSpeed と CWV はAPIに依存する: 自社サイトはVPSとフォント設定の影響でLCPが伸びていますが、CDNや配信戦略を見直せば改善余地は大きい。

採点の限界・このツールが見ていないもの

IndexReadyの採点は「公開HTMLとPageSpeed APIから読める範囲」に限定されます。以下は採点に反映されません。

  • ページのE-E-A-Tの本質(著者の専門性、記事の事実性)
  • 検索順位やAI Overviewへの実際の表示状況
  • 被リンク数・サイト権威性などの外部シグナル
  • ユーザー体験のうち定量化しにくい部分(読みやすさ、デザイン、文体)
  • ログイン後・JavaScript実行後にだけ表示される内容

スコアはあくまで「機械可読な実装」を見ているもので、実際の検索順位やAIによる引用は別のシグナルや競合状況にも依存します。スコアを上げてもCTRや滞在時間が伸びなければ意味がない、という前提で使ってください。

まとめ

3サイトを実際に診断した結果、以下が確認できました。

  • 自社プロダクト(index-ready.jp)はSEO/GEOともに基本構造を満たすが、速度面で課題が残る
  • 技術ドキュメント(MDN)はSEOの基本は強いが、AI検索向けの構造化施策が未整備
  • 百科事典(Wikipedia)は速度と引用元品質で抜群だが、テンプレートが百科事典向けで、JSON-LD・llms.txt等の機械可読シグナルでは点を落とす

サイトの目的によって「強い項目」と「弱い項目」は変わります。IndexReadyの結果は順位予測ではなく、「自分のサイトに何が抜けているか」を機械的にチェックする道具として使うのが妥当です。今後も同様の検証結果を定期的に追加し、項目別の傾向を蓄積していく予定です。

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